お隣さんは意地悪センセイ!
しばらくその試合をボーッと見ていると予鈴のチャイムが鳴り朝練は終了した。
女子たちにタオルやら飲み物を貰っている長瀬を見届けてあたしは体育館を出ようとすると…
「……高梨?」
遠くからそんな声がして、振り向くと女子の群れから長瀬があたしの方に走ってきた。
「よっ!お疲れさま〜」
「よっ!じゃねぇよ!何でこんなとこいんだよ!」
長瀬は驚いた顔でそう言う。
「何さ、いちゃ悪い?色々あって早く来ちゃったから暇つぶしに見に来てやっただけだっつーの!勘違いすんなよな!」
フッと櫻木先生風に笑ってやると長瀬はじっとあたしを見つめてきた。
「何だよ、てっきりアイツを追いかけてこんな朝早くから来てんのかと思ったし。よかった、こないだアイツのせいで燃え尽きてたら心配してたんだよ。もうあんなのと関わんなよなー」
「……え?アイツ追いかけって?何の話?」
さっきから長瀬の言ってる言葉の意味がわからない。
「は?知らねぇの?アイツうちの顧問に…」
そのとき、長瀬の後ろに背の高い人影が…
「長瀬くん。放課後の練習は舞台側のコートって連絡回しといて」
ハッとして長瀬の後ろの人物を見た。
「さっ、櫻木せんせ!?」