お隣さんは意地悪センセイ!
そう思うとバカげてくる。
一生とか、永遠とか何も響かない。
まぁ、そんな言葉使えんのはまだ青臭いガキの特権なのかもしれないな。
俺は結局、二つ返事で例のマンションに引っ越すことを母親に告げた。
やがて4月になり迎えた着任式。
着任式が始まる前の職員室で俺は見知った顔を見つける。
「おっ、どこのイケメンかと思えば彰人じゃねぇか!」
サラッとした短髪の黒髪、かっちりとしたスーツを着こなした立派な大人のくせに、そいつの笑顔はどこかスポーツ少年のようなあどけなさを感じた。
「おお…真野か」
目の前には高校時代仲の良かった同期の真野 拓哉(マノタクヤ)がいた。
高校卒業以来何度か会っていたが久しぶりの再会で驚き、あまり気の利いたことは言えなかった。
「彰人、お前が教師って…大学院行ったんじゃなかったのかよ?まさか…親父さ」
「まぁ、こっちにも色々あんだよ。つーか、こうやってお前と働くなんてな」
驚きより少し、嬉しさのほうが勝っているかもしれない。