お隣さんは意地悪センセイ!
何事もなかったかのように歩き出すと、後ろから『待ってください!』と声がする。
「……まだ何か用あるの?」
無表情で振り返りそう言うと、その子は真っ青な顔をしてワナワナと震えだした。
何その反応。
もしかしてビックリしてんの?
「や、あたし何も見てない、知らないです!今までありがとうござい、ござましたああ!さよ、さよならあああー」
"とうせんぼ女"はまるで見てはいけないものを見てしまった!という顔をして走り去ろうとする。
何、俺が思っていた爽やかな教師じゃないからって幻滅でもしたわけ?
へぇ、なるほどね〜
俺は咄嗟にその腕を掴んで引き寄せた。
この世の終わり、みたいな顔をしたその子に
「キミみたいな子、一番無理なんだけど」
と、気づけば言っていた。