お隣さんは意地悪センセイ!
色々とキツく酷いことを言ったのに
その子は"他の生徒"みたいに泣いたりしなかった。
それどころか…
『あ、あのっ、あたしっ勝手に突っ走る傾向がありまして、あのその…き、キスしようとしたことに怒ってらっしゃるのならす、すみません…先生のご正体も言いません』
ご正体って何だそりゃ。
別にわざわざ隠してるつもりねぇけど。
本当、変な子……
これ以上関わることは
もうないと思っていたのに────
引っ越してきたマンションはいたって普通のマンションだったが築数が浅いのか綺麗でエントランスもお洒落だった。
しかも、角部屋に最上階。
これで家賃光熱費タダなんて本当にいいのかよ。
もしかして訳あり物件か?
夜な夜な霊が出るとかじゃねぇだろうな?
ある程度荷物を部屋に持って行き、とりあえず先に左隣と下に住む住人に挨拶に行くことに。
下に住む住人は50代ぐらいの夫婦で愛想のいい人たちで少し安心した。
問題はお隣さんか…
変なヤツじゃねぇよな…
なんて、思いながらインターホンを押すと出てきたのは…
「さ、櫻木…せんせ…!?」
さっきの"とうせんぼ女"が部屋から出てきたのだった。