お隣さんは意地悪センセイ!
一瞬、ドキッとして心臓が止まるかと思った。
櫻木、先生が好き?
間違いなくどこからか聞こえた女子生徒の声。
ふと、立ち止まると
あたしはいつの間にか化学準備室の前にいて
いつの間にか足がここに来ていたんだ、と悟った。
「せんせ…あたしじゃ彼女になれませんか…?」
震えた女の子の声がする。
ダメだ、早く行かなきゃ。
でもなぜか…足が動かない。
「遊びでいいですっ、何なら一回だけでも…」
「それ、本気で言ってんの?」
酷く低い櫻木先生の声。
ガタッと化学準備室から物音がしてあたしはビクッと身体が震える。
「自分で安売りしてみっともないと思わない?どうせ、容姿だけで、見て呉れさえよければキミは誰でもいいんでしょ?」
櫻木先生のその言葉にクザッと胸を突かれるようだった。
まるで、あたしに向かって言ってるように思えて…