Missing Piece



「おっせぇよ、美虹!!」


「はぁ?いつもと同じ時間帯てすからー!!」


「おはよう、美虹!まいみん!」


「おはよう、将。」

「おっ、おはよう!将くん!」





偉そうに遅いだなんて言ってきたのは、
甲高い声が特徴の蒼井爽太(アオイ ソウタ)。
高校3年生の私と悠馬の幼なじみの1人。

実は、私が中学生の時から思いを寄せている人。

爽太は、なんせいつも女の子の影がチラついてる、そんなタイプなんだけど・・・。


そして、舞美が顔を赤くして挨拶を交わしたのは、三木将(ミキ マサル)。
将は、私と同い年の高2。クラスはお隣さん。
将も、幼なじみの1人。

そして、舞美が高校1年生の時に一目惚れした相手である。
もちろん、将はその気持ちには気付いてない。





いつもこうやって幼なじみのメンバーと待ち合わせして、校内に入っていくことも、日常の1つになっている。

他の幼なじみのメンバーも、それぞれ面白くて良い人がたくさん。

それはまた追々、紹介していくとします。






「そう言えば美虹、悠馬は??」


「昨日爽太もカラオケ行ってたんでしょー?
そのせいで寝坊よ、寝坊!」


「はっ!?マジで??
アイツ、馬鹿じゃね?」




馬鹿にしたようにニヤニヤ笑う爽太。
ほんと、馬鹿なのはそうなんだけど、
一緒にそんな時間まで遊んでた、爽太も爽太で馬鹿丸出しだけどね。



「てかさ、爽太のお母さん怒ってなかったの?
そんな時間まで遊んでてさー。
仮にも受験生でしょー?」


「いやー、別に何も言わねぇよ。
お前も知ってんだろ、あの人俺には興味ねぇからな。」





うちの親はかなり昨日、悠馬に怒ってたから、
ついつい普通に疑問に感じて聞いてしまったけど、

爽太の家庭は少し複雑な問題があった。




爽太のお母さんもお父さんも昔は仲良しだったけど、
中学校入学と同時に離婚して、
爽太のお母さんは、今の爽太のお父さんと再婚。
爽太には、4歳になる弟がいるんだけど、
不倫した挙句の果てに妊娠しちゃって、今に至るみたい。







「ま、別に俺は俺でちゃんと勉強するつもりだし!
悠馬は?超、怒られた??」


「まぁねぇ・・・」






時々、私の発言にはトゲがあるように自分でも感じる。


大好きな人との会話に夢中になって、
相手の気持ちを考えずに何でも聞いたり言ったりして、


何度も爽太の顔を曇らせてきた。


いけないいけない!


気を付けなきゃね。









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