Missing Piece
悠馬たちが参考書買いに行ってから、
約5分。やっとパフェが来た!
「やったー、やったー!」
「さ、早く食べな?美虹お嬢様。」
「なんなのー!お嬢様とか。」
「まぁいいからいいら、早く食べろよ。」
こうやってニコニコ笑う爽太の顔が好きで、
いつも隣に居れる時は居てくれて、
なんか本当に優しくて安心する存在。
でもでも、本当は弱い所もあって、
みんなの見えない所で曇った表情を見せることもあるんだよね。
それは、きっと家でのこともあるし、
爽太自身の何か心の中に抱える苦しみもあるんだろうなって思う。
1年先に爽太は生まれてるけど私が生まれた頃から、
ずっとずっと今まで一緒に成長してきて、
それでも何も分からなくて知らないことたくさんあるんだよね。
「美虹、美味しい?」
「うん、美味しい!
ねぇ、ほんとに奢り??」
「あったり前!
今日はな、特別なんだよ!」
「へぇー、それならいいんだけど!
ありがと。」
二人きりになることなんて今までに何回もあったけど、
改めて「二人きりなんだ」って思うと恥ずかしいな。
あんま目、合わせられないや。
「それ食べたら、ちょっと公園行こ?
お前の家の前にあるとこ。」
「良いけど。なに?急に・・・」
いつもとは違う表情と目。
何?なんか怖いんだけど。
「話してぇことあんだよ。
別にそんな、うん、大したことじゃねぇから!」
しばらく、私がパフェを食べている間はずっと沈黙と変な空気が流れていた。
午後6時、外はもう暗くなってきていた。