今しかない、この瞬間を
*:.。. 7. 宣戦布告
*:.。. 7
あの日の夜、彼には泊まって行ってもいいって言われたけど、ちょっと悩んで、それは遠慮した。
お互い何の障害もわだかまりもない状態なら、恋が深まるチャンスとして素直に受け入れたかもしれない。
でも、今の私たちには、厄介な事情があり過ぎる。
一旦、一人になって頭の中を整理しないことには、これからどう彼と接すればいいのか、すっかりわからなくなってしまったから。
本宮くんは、いつの間にかいなくなっていた。
何時まで待っていたのかわからないけど、ポストにメモが入っていた。
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お仕事お疲れ様。
帰り、遅いんだね。
今度の仕事は大変なのかな?
突然、来ちゃってごめん。
どうしても、あかねと話がしたかったから。
そう言われても困るよね。
迷惑なのはわかってるけど、会いたいんだ。
あかねから連絡がもらえるなら、いつでも飛んで来る。
番号はそのままだから、お願いします。
浩也
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レポート用紙に書かれた走り書きの文字には、焦燥感が表われている。
何だかわからないけど、必死なことだけは伝わる。
だからって、私から本宮くんに連絡をする訳がない。
わかってるのに、こんなことをするなんて、どういう風の吹き回しだろう。
今さらジタバタしたところで、結婚するのは決まってるんでしょ?
だったら、私なんかに構わず、勝手に幸せにでも何でもなればいいじゃない。