今しかない、この瞬間を
もちろん、放置。

だって、結婚式に来いって言うのなら、それはオバさんの面子を保つために決まってる。

ならば、余計に行きたくないし、もうあの人とは二度と関わりたくない。


わざわざここの住所を探し当てた努力までは認めてあげるけど、そこまでする意図もわからない。

でも、あれ？

よく考えたら、その辺は、ちょっと気味が悪い.......？


気にしない、気にしない。

とりあえず、ここに来る口実を潰すために、招待状の返事を出しておこう。

出欠ハガキの「御出席」の文字に、太字で大袈裟なくらい大きなバツをつけてみたら、思った以上にスカッとした。

この無礼で嫌味な出欠ハガキを投函したら、きっともっとスッキリするに違いない。


そんなことより、今の私には悩みがたくさんある。

悩んでも悩んでも解決してくれない、もどかしさで頭が爆発しそうなくらいの案件だ。

申し訳ないけど、とても本宮くんを気使う余裕なんてない。


次の日は休みだったから、何もしないで、ゆっくり考えた。

彼の言っていたことの本当の意味を。


私が彼と朱美さんの関係に気付いているなんて、彼は知る由もない。

だからこそ、ああいう表現になったんだろうけど.......

結局は「不倫」っていうことなんだよね。


だとしたら、彼が報われることはないし、誰が見ても正しくないことだから、隠し通すしかない。

それでもいいと思うから続いていると言われれば、それまでだけど、そんなのは絶対、「幸せ」じゃない。
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