Different Real
私、本当に来てよかった?
踏み込んで、よかったの...?
「俺のこと、まだ知りたい?
榎本になら話してもいいかなって思ってるよ」
辛そうな、寂しそうな、そんな笑みを私に向けた。
思わず視線を下にやる。
どうしよう...。
あ......。
移動した視線の先に止まったもの。
神尾くんの拳はぎゅっと握り締められていて、小さく震えていた。
ここに連れて来てくれるのにどれだけ勇気を出してくれたんだろう。
私になにが出来るのか、何もできないかもしれない。
それでも、私は彼に近づきたい。
支えたい.........。