Different Real




いつの間にか気を失っていた。

目が覚めたら、血まみれの父親が倒れていた。

何度も、何度も、刺された跡があった。

そのすぐ傍では小さくなって身体をガタガタと震わせる母親の姿があった。














母親はうつ病を患い、今では話すらできる状態ではなくなった。

たまに狂ったように暴れだす。

まだ小学3年生だった俺にはあまりに酷く、残酷で、完全にトラウマとなった。









「入学式の次の日からしばらく休んでたのは、母親が病院から抜け出して行方不明になったから。警察の人からは学校に行けって言われてたけど、無理だった。俺は、この家に1人でいるのが少し怖い。だけど、離れるのは、つらい...」













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