Different Real
「へぇ〜、紗恵ちゃんと恭平は席が隣なんだ〜!」
私の必死な説明でやっと落ち着いてくれた女の子。
ニヤニヤしながら私と神尾くんを交互に見ながら神尾くんの横に当たり前のように座った。
「ただのクラスメイト、って感じではなさそうだけど...。ね、恭平?」
ニコッと笑いながらずっと頭を抱える神尾くんを覗き込む。
抱きしめられてるところ見られちゃったんだもんね...。
申し訳ないですほんとに......。
「あー、榎本。こいつ、噂の幼馴染み。」
「皆川 杏璃(みなかわ あんり)だよ〜。よろしくね!」
やっと顔を上げてくれた神尾くんの頬がまだ少しだけ赤く染まっていた。
相当恥ずかしかったんだろうな...。
「こちらこそ、よろしくお願いしますっ!皆川さんはいつから神尾くんと仲いいんですか?」
「杏璃でいいよー!あと同い年なんだから敬語やめて〜。そしたらいろいろ話してあげる♡」
「え!あ、じゃあ、杏璃、ちゃん!」
カァッと顔が熱くなる。
久しぶりに女の子を名前で呼んだ。
こんな親しげに名前を呼ぶのは何年ぶりだろう...。少し照れくさい...。
「真っ赤!紗恵ちゃんかわいい〜!」
両手で頬を抑えてぶんぶんと体を揺らす杏璃ちゃん。
隣では呆れ顔の神尾くんが小さくため息を吐いた。
「恭平とは幼稚園の頃からの仲だよ!家が隣なの。小3の頃からごはんは3人で食べてるの!ね!」
ニコニコと神尾くんの方を向いた杏璃ちゃんとは裏腹に神尾くんは「さっきから近い」と杏璃ちゃんから離れようとする。
「3人......あ、そう言えば幼馴染みが2人いるって言ってたね!」