Different Real


されるがままに杏璃ちゃんと陸くん、そして神尾くんの4人で夜ご飯を作った。

杏璃ちゃんと陸くんといる時の神尾くんは学校にいる時と少し違って見えた。

本当に心を許してるんだなぁ...。

さっきまで震えていた神尾くんを思い出してチクンと胸が痛んだ。

彼が辛いとき、1番近くで支えてくれたのはこの2人なんだ。

「紗恵ちゃん!お皿取って〜!」

「あっ!うん!」

ボーッとしてしまっていた私に杏璃ちゃんが声をかけた。

今日のごはんはハンバーグ。

杏璃ちゃんの大好物らしい。

みんなでわいわい料理を作るなんて初めて。

「榎本ごめんな。こいつらうるさくて」

申し訳なさそうに謝る神尾くんに笑顔を向けた。

「そんなことないよ!とってもたのしい」










今日1日でどれくらい神尾くんに近づけたかな?

守りたいって、本気で思っていたよ。

だけど、私はあなたに何をしてあげられたんだろう。

あなたは私を恨んでる?

ねぇ、あなたは“あの日”なにを思っていた?

やり直せるのならやり直したい。

あなたが笑ってくれていた、あの日々に......。









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