Different Real
1度しか会ったことのない彼が、なぜかとても気になる。
「え、嘘でしょ......」
放課後、私は下駄箱で絶望を感じていた。
ザァーとうるさい雨の音が耳に響く。
「今日雨降るなんて聞いてない!!」
「紗恵もしかして傘ないの!?朝天気予報で言ってたよー?」
「うぅ......寝坊してバタバタしてて...」
「困ったなー。私も傘は1つしかないし...。」
あー、なんてアホなんだ...。
鞄に折りたたみの1本や2本入れとけよ!!
「私もこれから部活で一緒に帰れないし、私の傘持ってく?」
「えぇ!?だめだよ!走って帰るから大丈夫!みゆきありがとう!」
「でも......本当に大丈夫?」
申し訳なさそうにシュンッとするみゆきがかわいい!!
1本しかない傘を借りるほど図々しく出来てないよ。
「本当に大丈夫!部活がんばってね!!また明日!」
「ありがとう、気をつけてねー!」
まだ少ししょぼんとしてるみゆきに笑顔で手を振ってから走って校門を出た。