Different Real
それから2人で料理とかお部屋の飾り付けとかをがんばった。
ずっと2人きり。
すごくどきどきした。
それと同じくらい幸せで楽しいって感じた。
ピロンッ
だいぶ陽が落ちた頃、神尾くんのスマホが光った。
「杏璃と陸もう少しで着くって」
「そっか!楽しみだねぇ~!わくわくしてきた!!」
杏璃ちゃんびっくりするかな?
どんな反応してくれるかな?
こんな気持ち、はじめてでわくわくする。
「榎本はほんと、なんでも楽しんでくれるな」
神尾くんはふわっと柔らかく微笑んだ。
ううん、ちがう。違うよ。
「楽しんであげてるんじゃないよ。本当に楽しいの。今まで家で1人でいることが多かったから、こういうのすごく楽しいの。誘ってくれてありがとう」
新しい気持ち、たくさんくれた。
友だちにサプライズするわくわくも誰かのこと本気で支えたいって思ったのも、誰かを、好きって思ってどきどきするのも。
「えのも……」
ガチャッ
「やべ!入ってきた!榎本、準備いい?」
神尾くんが小声で話す。
「うん!」
キュッと手の中にあるクラッカーを握り締める。