Different Real


「こらこら、紗恵ちゃんだけじゃねーぞ?俺らもがんばったんだぞー」

陸くんが杏璃ちゃんの頭をぽんぽんと叩く。

「はいはい、ありがとうございますぅ」

「心がこもってない。やり直し。」

「料理冷めるから、食べ終わってからにして」

神尾くんがじゃれる2人の間をわざと通り食事の支度を始めた。

2人の扱い、慣れてるなぁ。

「あ、私も手伝う!」

「うん、ありがとう」

神尾くんのそばに行くとふわっと優しく笑った。

ドキッ

神尾くんの微笑みにはいつも胸がどきどきする。

神尾くんのこと、好きだって気づいたけど告白するとかそういうのは考えられないな。

私は、今のままでも充分幸せだから。










それからパーティーはすっごく盛り上がった。

明日は土曜日、学校がないからって結構遅くまではしゃいでしまった。

チラッと時計を見ると、

「え!?10時!?」

勢いよく立ち上がり鞄を持つ。

「こんな遅くまでごめんなさい!私、そろそろ…」

「え?紗恵ちゃん帰るの?外、すごい雨だよ?」

「え………」

カーテンを開けて、窓の外を見てみると…。

どうなってるの。

これが、ゲリラ豪雨ってやつなの。

バケツをひっくり返したような雨、とはこんなことを言うんだなってくらい激しく降る雨。

もしかして電車………。

スマホで交通状況を調べると、案の定運転見合せ中。

こんなのいつ帰れるか分からない…。






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