Different Real
Real 8
杏璃ちゃんのお部屋はとってもかわいい。
ハートのクッション、くまのぬいぐるみ、化粧品と香水がズラっと並んでいる。
ご両親もとてもいい人だった。
突然の訪問にも笑顔で対応してくれた。
こんなことはよくあることって言って笑っていた。
杏璃ちゃんの部屋着をお借りして思わず体育座り。
「ふぅ~、お風呂気持ちよかった~。…って、体育座りとか!」
ケラケラ笑いながら髪を拭く。
杏璃ちゃんの髪、きれいだなぁ。
「で、恭平とはそろそろ付き合った?」
「……えっ!?」
突然の質問に目を見開く。
付き合うって!そろそろって!?
「だって紗恵ちゃん恭平のこと好きでしょ?」
ど、どうしてバレてるの!?
ボンっと顔が熱くなる。
「まだなのー?はやくしないと誰かに取られちゃうよ?」
「だ、誰かに…」
その言葉に少し心がモヤっとした。
神尾くんが、隣に特別な女の子を連れて歩いて……。
「で、でも…神尾くんが告白されてるとか、見たことないし…」
「へぇ、意外…。中学の時なんか毎日のように呼び出されてたのに」
ま、毎日!?
かっこいいもんね、そりゃモテますよ…。
「学校の子が告白しないからって、他の子も黙ってるとは限らないじゃない?」
「他の子、って…?」
不安になり、チラッと杏璃ちゃんを見上げるとにやっと笑って、
「私、とか?」