Different Real


え………。

あれ、これって冗談……?

「ちょっと、紗恵ちゃん?そんな顔しないでよ!冗談よ?」

ケラケラと笑う杏璃ちゃんだけど、なんだかいつもとちがう…?

胸がギュッてなって少し苦しくなる。

うまく、笑えない…。

「紗恵ちゃん、私2人のこと応援してるの。本気だよ。だから、そんな顔しないで?」

「あ、で、でも…」

言葉に詰まる。

ずっと昔から一緒にいる2人。

誰よりも神尾くんのことを知ってる女の子。

いちばんに支えてきた女の子。

私、あんなに告白はしないって思ってたのに、どうしてこんなに…。

「ちょ、紗恵ちゃん!泣かないでよ~」

焦る杏璃ちゃんの声が聞こえて、我に返る。

頬を伝う冷たいものに気づく。

「えっ、ご、ごめんっ!えっと、その…」

「2人の間に入れるわけないじゃない。ごめんね、ちょっと維持らしかったから意地悪しちゃった。」

杏璃ちゃんはそう言った笑った。

「はやく付き合ってよね?ていうか、付き合わないと許さないからね」

杏璃ちゃんは神尾くんのこと好きなんだな…。

いつから好きなんだろう。

こんなに、神尾くんが誰かと付き合うことを考えるのがつらいことだって知らなかった。

いつの間にかすっごく好きになってたんだ…。

「私、神尾くんに、告白…してもいいのかなぁ…」

「いいに決まってるでしょ!?誰の許可がいるっていうのよ。」

「うん…。私、がんばる…」

杏璃ちゃんは笑顔で「がんばれ!」って言ってくれた。

ライバルを笑顔で応援するって、杏璃ちゃんはどこまで優しい人なんだろう。


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