Different Real
思っていたより雨が強く、すぐに全身びしょびしょになってしまった。
学校から駅まで歩いて20分の距離を休まず走る、なんて体力を持ち合わせているはずもなく...。
足重くなってきた......。
ツンッ
え、まさか......。
そう思った時にはもう地面のアスファルトに思いきりぶつかっていた。
「いったぁ〜...」
手の平と膝から血が流れる。
久しぶりに転んだ。
しかも1人でいるときに!!
「あの...大丈夫?」
頭上から聞こえてきた優しい声。
顔を上げると綺麗な黒髪がよく似合う男の子が心配そうに右手を差し出していた。
瞳も髪と同じ、綺麗な黒。
なんだろう、初めて会った気がしない...?
「あの...?」
はっ!!夢中になって立つことさえ忘れてた!!
さっきまで心配そうな顔をしていた彼の表情は困っていた。