彼の優しさ

「ダーメ!」ピシッと言うけど『ちょうだい、ちょうだい』光線は消えない。

油断出来ない。ルチル、食い意地張ってるから。

前なんて魚焼きグリルの中にある焼いた魚をわざわざグリルを開けて、盗って食べたんだから。

突然、ルチルがピクッとしてリビングの扉にある猫ドアから廊下に出た。

玄関のドアが開く音がして子猫の『みー、みー、』と言う鳴き声が聞こえてお父さんの「ただいま」と言う声が聞こえた。

コンロとグリルの火を消してスリッパを鳴らしながら玄関に向かってお父さんとお父さんの腕の中にいる子猫ちゃんに

「お帰り、お父さん。子猫ちゃんもようこそ。」とお父さんの腕の中にいる子猫ちゃんを覗いた。…フアフアだな。

「かわいい♪」じと、と視線を感じるとルチルがこっちを見ていた。ルチルを抱っこして

「ごめんね、ルチル。機嫌直して?」…ルチルは抱っこ好き。だから大抵の事は抱っこすると機嫌が直る。




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