彼の優しさ

「戸棚に一工夫入れるのってなんで?」と聞かれて

「アズサの盗食を防ぐ為だよ。…猫ってね魚焼きグリルを開けて中にある魚を食べちゃう位だから用心しておいた方がいいの。…人間用は塩分が強かったり、チョコとか猫が食べちゃいけないものを食べちゃうから。」そんな話しをしているとお湯が沸騰してティーポットとマグカップに一旦お湯を入れて、マグカップを温めてから、紅茶を淹れ始めた。

真依の座っている所の前に紅茶や砂糖、ミルクを置いて、わたしの前には既にアッサムの茶葉で作ったミルクティーが置いてある。

それから、真依の相談に乗った。

「やっぱり飼う環境は一番重要だよ?例えば時間が無くてお散歩があまり出来ないなら大型犬とかは止めておいた方が良いと思う。…運動不足のせいでイタズラしちゃう事とかあり得るから。」そう言うと

「わたしの場合、こう言う所に入れたのは従姉の紹介と援助があったからが大きいから。」

「従姉?その従姉さん不動産とかやっているの?」

「う~んいろいろやっているから一言では言い表せないけど、不動産もその一つだよ。」

あの時宮だもん…言ったら、真依が変わっちゃいそうで怖い。


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