彼の優しさ
ー4月1日ー
「えっと…ここで良いのかな?」住所とスマホのナビモードを便りにして付いたのはしっとりとした空気が流れる喫茶店。
でも、ナビではここってなってるけど、お店がやってる雰囲気じゃなくて、(待ち合わせの10分前に着いたけど)合っているのかが微妙。
悩んでいるといかにも喫茶店のマスターという感じのひとが出てきて
「結城 藍さん、ですか?」と聞かれて思わず
「そうですが…何故わたしの名前を?」
「祐から聞かれています。どうぞ店内に。祐本人が店内にてお待ちしています。」そう促されてお店の中に入った。…案内されて中庭が見える席に一人座っている先生がいた。こっちの視線に気付いたのか振り向いてくれてフワッと先生は微笑んだ…学校でも、見たことの無い顔でびっくりしたけど、ドキッ!!っとした。
「こんにちは。」そう言うと先生は
「座って話しをしよう?」と自分の席の向かいにある席を指差した。