彼の優しさ

「失礼します。」そう言ってから席に座ると先生がテーブルの端にあったメニュー表を渡してくれて、

「話しが長くなると思うから、何でも頼んで良いよ。」と言って、目に付いたカプチーノを頼んだ。

「ここ、ラテアートをやってくれるんだよ?」と言っていたからラテアートの一覧を見て興味を引かれた物を頼んだ。

「えと、じゃあ四つ葉のクローバーで」と言うと

「春仁」とカウンターの方に声を掛けるとさっきのマスターらしき人が出てきて、

「決まったか?」とマスター?の人が言うと

「俺はブラック、でもう一つはカプチーノのラテアート付き、クローバーで。」と言って物欲しそうにケーキ欄を見ていたことに気付かれていたのか先生は笑いながら

「ケーキ、食べたいんなら頼んで良いよ」と言われて顔が熱くなったのが分かって

「ニューヨークチーズケーキ、お願いします…」と言った。

「畏まりました。…祐、頑張れよ?」とマスター?は言ってカウンターの方に踵を返して言った
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