彼の優しさ

抱っこして機嫌が直ったのか、子猫ちゃんに視線を向けた。ルチルが手を出せない距離まで子猫ちゃんに近付けると首を伸ばしてクンクンと子猫ちゃんの匂いを嗅いでる。

少ししたら気が治まったのか腕の中から脱出してリビングへ…って危ない!

「ルチル~魚盗んだらダメだよ~」とパタパタとスリッパを鳴らしてわたしもリビングの方に歩いてリビングに隣接してるキッチンで手を洗い直してから料理の続き。

「藍、」リビングに居るお父さんの言いたい事が分かって

「あ、子猫ちゃんは窓際に有る新しい方のブランケットにお願い」とお鍋の中のお味噌汁の予定のやつにお味噌を入れながら言うと

「分かった。」と声がした。

「にゃー」ルチル、『ちょうだい、ちょうだい』光線でもダメなのに。

「下りなさい。」キッチンとリビングの境目にあるテーブルに前足を乗っけてた。

仕方無い様に下りるとキャットタワーにある爪とぎにガリガリと爪とぎをしてる。

「ただいま~」そう聞こえて来たお母さんの声。

後は盛り付けるだけだから

「お帰り~」とお母さんに言ってからお茶碗やお皿を取り出して盛り付け始めた。
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