彼の優しさ

side 西原 祐


「そう言えば子猫はどうなったんだ?引き取り手は見つかったのか?」祖父さんの家に呼ばれて祖父さんの書斎で話した事。…祖父さん、気になってたんだ。

「大丈夫。3年の結城が引き取ってくれた。結城から聞いた話だけど結城は家で猫を飼ってるってことだし『両親が動物好きだから親も文句は言わない』と言っていたしな。」コーヒーで喉を潤しながら言うと

「…結城?あぁ、転校生か。でその子の学校での様子はどうだ?」…?なんで気にするんだ?

「…授業に関しては俺の知ってる限りは問題ない。むしろパーフェクトに近い。だが、性格は消極的。それがネックになって学校では喋る人はほぼ居ない。」知ってる情報を話すと祖父さんは深呼吸して

「…そうか。」と一言話して黙り込んだ。

……何が聞きたかったんだ?

コーヒーが空になり話す事も無くなって居たたまれなくなった俺は自分のマンションに帰る事を告げると

「…その子、注意しとけ」と真剣な目で言われて

「あぁ、おやすみ祖父さん。」と言ってリビングにいた祖母さんにも帰る事を告げ、マンションに帰った。
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