彼の優しさ
side 結城 藍
転校一日目。
人見知りな性格のせいで次々に話掛けられる事に嫌気がさしてお昼はさっさと食べて学校内の地図を見ながら校内を覚えながら図書室に向かった。
図書室の落ち着いた空気が好きで本を日差しが厳しくない所で読むのが一番安心する。
本棚から推理物の小説を取り出して丁度良いところで読んでると予鈴が鳴る5分前に本を借りる為にカウンターに向かって借りる為に必要な手続きを行って、本を借りると丁度予鈴がなって、地図を見ながら教室へ戻った。
5時間目は、物理か。自分の教科書は初登校日前に手続きをしておいたから今日全教科の教科書や資料集とか貰えたから隣に『見せて』なんて言わずに済むからラッキーだった。
本鈴が鳴って先生が来た。…若い男の先生。
二十代中盤ぐらい?ま、物理は可もなく不可もない感じだから何時も通りでいいや。
「え~まず、授業の前にちょっと話がある。敷地内で捨てられた子猫が居たんだ。今は獣医に預けているがそのあとの飼い主が居ない。だからこの中で猫を飼っても良いと思う人はいるか?」猫か。
右手をわたしは挙げた。
「結城?大丈夫なのか?」その時手を挙げたのはわたしだけだった。