彼の優しさ
side 結城 藍
会計してから薬や、診断書を貰ってお母さんの車で家に帰って(お父さんも車があるから。)
家に帰ると家の事はお母さんとお父さんがしてくれた。
お父さんはイタリアンレストランのシェフをしてるけど滅多に家で料理をしてくれない。
作るとしてもお母さんかわたしが関係するお祝い事やお母さんかわたしの誕生日かホワイトデーぐらい。
なのに料理をしてくれた。
トマトとチーズのリゾット。
スゴく美味しかった。
一人でお風呂に入ろうとしてもお母さんが利き手である左手が使えないから一緒に入るとか言い出すし…まぁ利き手が使えないわたしにとって楽になるって押されて一緒に入ったけどね。
けど「3人で一緒に寝よう」ってお母さんが言い出したのはびっくりした。今でもお母さん達は一緒の寝室でお母さんは直ぐに寝付いちゃってしかも朝まで爆睡パターンな人だから気づいてないかも知れないけどお父さんスッゴクいびきがうるさいくて逆に寝れない。
だから断ったらなんでか心配そうな顔をされて理由を聞いたら「寝ている時に夢で出るかもしれないだろ?…それに注意喚起が起こっていたのも知らなかったのは仕事にかまかけて藍の話しをちゃんと聞こうとしなかったから。」お父さんから聞いた言葉。…お父さんがお母さんやわたしより泣きそうな顔をしてる。