彼の優しさ
「そんな。わたしだって言わなかったし、大丈夫だよ。気にしないで。」
「…ありがとう。」つらそうな声でお父さんが言った。…お父さんにとって消化出来る問題 じゃないみたい。
そんな時にひょこっとわたしの膝の上に来たルチル。…左腕の包帯を巻いてる所をくんくん匂いを嗅いでる。…薬の匂いがするのかな?
「ルチル、どうしたの?」じーっとわたしを見てる。…何を言いたいのかな?
左手を使えないから右手でルチルを撫でてると
気持ちよさそうにしてる。
「…藍、そろそろ休みなさい。」ルチルを撫でていたわたしにお母さんが言って、
「うん。」
「病院から貰った薬もちゃんと飲むのよ。」とつけ加えてわたしの膝からルチルを抱っこするとルチルは気持ち良かったのに邪魔されて不機嫌な顔をしてる。
「じゃあ、おやすみ。」と言ってリビングを出た。