彼の優しさ

「おはよう、早いわね。…眠れなかった?」

「おはよ。…寝れたんだけどルチルに起こされた。」お母さんは苦笑いして

「…怪我は?痛くない?」

「このぐらいは大丈夫。」とぎこちない動きで右手で猫じゃらしを使ってると

「じゃあ、お母さん朝ごはん作るわね。」とキッチンに行ったらキランとルチルの目が輝いてキッチンの方へ向かおうとするけど

「ダメ。」とルチルを抱っこして宥めた。

…おっと、ルチルの尻尾が大振り。キッチンに続く扉を閉めて、ルチルを下ろした。

「ルチル、そんなにじーっと見てもキッチンはダメ。」

そんなこと言ってもルチルはキッチンの方をじーっと見ている。

おもちゃで気を引こうとするけど全く興味はご飯に向いてる。

卵を焼いてる匂いがするとルチルが鼻をくんくんしている。

「藍ーお父さん起こしてきて」と聞こえたから

「分かった。」と返事をしてお父さんの居る寝室に。二回ノックしても起きないから部屋に入って

「お父さん、朝だよ!」と起こした。
< 23 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop