彼の優しさ
俺が食べ終わった頃、結城は
「…先生はなにか、わたしに言いたいことが有るみたいですけど」…気付かれてたか。
「結城…じゃあ、ハッキリ言う。…聞かせて貰うが対人関係や自分の事『どうでも良い』そんな感じを受けるが何故だ。…あんな事件が有れば男でも怖がるのが普通だ。なのに結城はそんな素振りを見せない。」結城は水筒の中身を一口飲んでから
「その事ですか。…他人事じゃないとやっていけない、とだけ言っておきます。」?
「親戚に何でもパーフェクトにこなす人が居て…対してわたしは何も特筆出来るような事柄が無い。……身近な人物と比べられるその気持ち分かりますか?」特筆出来るような事柄?
「そんな事は無い。転入試験、各教科90オーバー。これは特筆出来ることだ。」と結城の目を見て言うが、
「いえ、彼女なら全教科満点まで-5点まで詰める事など朝飯前。初めて見たものも特に練習しなくても楽にこなす。…これに比べればわたしは、何処にでも居るモブキャラです。」……想像以上に根が深い。
…コンプレックスの結果、か。