彼の優しさ
クラスの皆の視線が一気に集まってびっくりしたから頷くだけにした。
「そうか。…ご両親の承諾とかも平気なんだな?」…これは頷くだけじゃダメか。
「はい。家でアメショーを飼っているので。両親も動物好きですし、大丈夫です。」あまり大きな声で言った訳じゃないのに、教室にわたしの声が響いてドキドキだった。
「…あめしょー?」先生は分からないみたい。アメショーがアメリカンショートヘアの略って事。
「先生、アメショーはアメリカンショートへアの略。人懐っこい性格の猫。知らなかったんだ。以外!」前の席にいるショートへアの女子生徒の一人が答えてくれた。
「そ、そうか。…その前に櫻田、先生には敬語を使いなさい。」アメショーの事を言ってくれた生徒に咎めてる。…櫻田さん、って言うんだ。
「はいはーい。」櫻田さん、って呼ばれた人は軽く答えてる。
「…じゃあ、結城。頼んだぞ。」軽くため息をついて先生はわたしに言ってわたしが頷くのを確認してから
「授業始めるぞ~」とこの話は終わり。という感じで切り替えた。