彼の優しさ

ゴーン…ゴーン…予鈴か。

「では、次の授業があるので失礼します。」といつの間に食べ終わって、片付けていたのか、結城はスッと立って校舎に入っていった。

……コンプレックスが強すぎて結城の良い所が見えなくなってしまってる。…

結城、アズサを引き取ると言うとき直ぐに手を挙げていた。

他の生徒が誰も手を挙げていなかったのに。

これはアズサにとって、強いて言えばこの高校を救った事になるんだぞ。

…命を救った事に、俺は結城本来の優しさが見えた気がした。

アズサは元気で人を信じている事が何よりも証拠だと、俺は思う。
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