彼の優しさ

リビングに行くとわたしの思った通り和食だった。

──でも、わたしとお父さんの好物が一品ずつあるのは何故?



───夕飯後。

今日も左手が使えないわたしに気遣ってかお母さんが一緒にお風呂に入った。

「藍、今日、病院行ってきたんでしょう?…先生、なにか言っていたの?」とお母さんに言われて

「うーん…もしかしたら、傷が残っちゃうかも、とは言われた。」お母さんが気を使わない様にさくっと言うと

「……そうなの。」と言うと

「シャンプー、流すわよ」と言われて目を瞑るとシャワーで流されている感じがした。

その後も背中を洗ってくれたりと若干子どもに戻ったのかと思ってしまった。
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