彼の優しさ

「あ、ここは颯斗の病院だよ。」やっぱり。
コネがある病院ってここぐらいだし。

「雪奏姉さん。なんで雪奏姉さんがいるの?…わたし、誰にも言ってなかったんだけど…」疑問を口にすると

「あ、その事ね。実は私も伯母さんに相談されていたんだけど仕事で昨日まで出張してて帰ってきたのが今日の朝五時過ぎだったの。でも嫌な予感がしたから今日、神社の境内のなかを風の式を使わせて貰っていたのよ。そしたら藍ちゃん満身創痍だし、ビックリして慌てて鈴音ちゃん探したら遊んでるしで颯斗に鈴音ちゃんを連れて帰る用に頼んでいたら藍ちゃん、倒れちゃったから慌ててここを搬送先に手配をしたの。…もっと注意していたらこんな事、無かったのに。ごめんね。」風の式…風の力を使って自分のいる場所から遠い所の事を知る力。そうだったんだ。

「ううん。断り切れなかったわたしが悪いんだし、雪奏姉さんは気にしないで。」そう言うと雪奏姉さんのスマホが鳴った。(ここは個室だから大丈夫、らしい。)

「もしもし?………うん。…そう。……まって藍ちゃんに聞いてみる。」

「藍ちゃん。いま病院の中の休憩室にお母さんたちと颯斗と鈴音ちゃんが合流したんだって。でね、鈴音ちゃんは今回の事「自分は悪くない」って言ってるんだけど藍ちゃんはどうしたい?…私の権力使えば法に触れること以外は大抵出来るけど。」……若干アグレッシブな事言ったよね?雪奏姉さん。


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