彼の優しさ

「今はただ、会いたくない。」酷い頭痛が出始めて目を閉じた。

「颯斗、聞こえた?…うん。じゃあ後でね。」と言うと電話を切ったらしい。

「大丈夫?私の力なら癒す事も出来るけど?」……やっぱり分かっていたか。

「今は寝かせて…」と言うと目の所に腕をのせてわたしは眠った。


目を覚ましたら、外は真っ暗だった。

ボーッと外を見ていると横開きのドアが開いた。廊下からの光が眩しかったけど三人いる内の二人は直ぐに分かった。お母さんが電気を着けて、
「お母さん、お父さん、颯斗義兄さん」どうしたんだろ?…この組み合わせ見た事が無いよ?

「俺は今回の件の主治医だから。」…?あれ?

「確か、颯斗義兄さん、外科担当じゃなかったっけ?」

「あぁ。だが、今回は特例だ。」……相変わらず言葉が少ない。

「問診するぞ。」と言われて何度か聞かれた。

「血液検査の結果、かなり栄養状態が良くないですね。叔父さん、叔母さん。ちゃんと注視してあげて下さい。」仕事モードの颯斗義兄さん。…?

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