彼の優しさ
「何、意地を張っているんだ。…なんでも体が一番なんだ。今、藍の体は十代後半の女性が持つ免疫力の3分の2も藍は無いんだ。免疫力が回復するまで自宅療養。それに完璧な人間なんて居ないぞ。俺も雪奏も大学受験は周りのバックアップが有った。」そんな事言ったって…。
「わたし、ちゃんと断ったよ?!なのに鈴花伯母さんが無理矢理押し付けて、反論しようにも聞いて貰えなかった!!…頼りたい時こそ周りに誰も居ない!!だったら自分一人で解決するしか無いじゃない!!」八つ当たりするみたいに大声で言った。
「なのにまた押さえつけようとするの!!わたしの夢まで奪って一体何がしたいのよ!!」
……大声で叫んだせいで呼吸が乱れる。わたしの息の荒い音しか聞こえない。
「ごめん。藍。」お父さんの声。
「今、思えば俺は運動会や授業参観などは『仕事が忙しい。』と言って藍が悲しい顔をして『大丈夫。仕事だし仕方無いよ』と言う言葉に甘えていた。」何よ、今更…。