彼の優しさ

「えっ先生?なんでここに…?」ベッドに座ってる結城。顔色が青を通りすぎて白になってる。…病的な儚さがあった。

「ん?あ、ヤボ用。…と言うか結城、なんでここに?しかも顔色、かなり酷いぞ。横になっていた方が良いんじゃないか?」祖母の入院は伏せといて(快方に向かってるし、祖母さん本人も普通に病院内歩き回れる体力があるからそろそろ退院、と言う話があるから。)自分が謎に思った事を聞いた。

「倒れて、ここに搬送されてきたんです。」と俺より若干年上ぐらいの白衣を着た男の人が答えて

「あ、そうでしたか。すみません、わたしは結城藍さんの通ってる学校の教師の西原と申します。」そう俺が言うと(わたし、と言ったのはまぁ、大人のマナーってやつだな。)

「失礼しました。わたしはここの病院の医者の五十嵐です。あと、妻の雪奏。…雪奏は藍とは従姉妹関係になります。」白衣の男の人が答えた。

五十嵐?ここの病院も五十嵐総合病院…経営者一族か?…だが、この女性、雪奏さんってあの『時宮』だよな。現代女性当主の。

…頭の中でパズルの欠けたピースが見つかり、パズルが頭の中で完成する感覚がした。

…結城が言っていた事、『完璧すぎる親戚』って彼女では?
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