彼の優しさ

「良かったことなんて覚えてるかぎりだとアズサの事と、誕生日位のご馳走しか思い出せないんだけど?…それで【家に帰りなさい】とか【見合い話し】なんてふざけるのも大概にしたら?
…わたしがどれだけ我慢したか分からないでしょ?…もう一個言おうか?わたしのマンゴーアレルギー。ストレス性だよ?因みに相当な頻度で、わたしが何度も胃腸炎起こしているのも知らないでしょ?…それもストレス性。…ここまで言えば分かるよね?」……電話の向こう側が沈黙に支配されている。

意味が分かった様だ。《両親のせいで病気に係った、と。》

電話を全部聞いていたならこれからわたしがやる道筋は分かった筈。…ならもう様はない。

「じゃ、切るよ。」とう言って通話を終わらせて
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