彼の優しさ
side 結城 藍
4月の約束って何だろう…?そう考えながら自分の部屋に戻るとわたしのスマホが鳴った。
「もしもし。」
『雪奏だけど。今、大丈夫?』
「大丈夫だけど、どうかしたの?」
『藍ちゃん、バイト先を探していたよね?人手が必要になったから聞いてみたんだけどもう、バイト先決めちゃった?』
「ううん。決めてないけど…」
『その仕事ってね。わたしの会社なんだけどわたしの部下の一人が産休で休みを取るのよ。だからその人のお休み中の間を藍ちゃんにやってほしいなって。…どう?』
「えっと…仕事内容とかは何なの?」
『事務仕事に使う物とかを業者に頼んだり、あと会社のデータ管理がほぼだね。…後、仕事が忙しいときは少し手伝って貰うかも。…後、会社のデータ管理だから少し機密情報もあるから若干給金も上がるけど、外部に漏らしちゃ、ダメよ?』…雪奏ちゃん『外部に漏らしちゃダメよ?』の所が怖かった。
「分かった。じゃあ、お願いします。」
『ありがとう一応形式上履歴書をお願いね?』
「分かった。」
『じゃあ、今週の土曜日の午前10時頃家に来れる?』
「分かった。…じゃあまたね?」と電話を切った。