彼の優しさ

「猫?」両親が帰ってきて夕飯中に話した。

「うん。今は獣医さんの所にいるらしいよ。うちで引き取ったらダメ?」お父さんが聞いてきたから答えると

「最後まで面倒見れるんなら良いわよ。…お母さんたちは仕事が休みの時しか出来ないから藍に任せてしまうし、ね。」とお母さんは認めてくれた。…勝った♪お父さんはお母さんに弱い!
「分かった。ただ、ルチルにもちゃんと話しておくんだぞ。ルチルも家族の一員なんだから。」とお父さん、丸投げ回答。

「分かった。…じゃあ、詳しいこと分かったら言うね」箸が止まっていたから動かして今はご飯に集中した。

ーわたしの部屋。ー

宿題を終わらせて、抹茶ラテで一息。

にゃー、にゃー

扉の向こうからルチルが鳴いてるから扉をゆっくりと開けると隙間からするっと部屋に入ってきた。…寝るのね。ルチルは特にわたしに懐いていて寝るときは同じ部屋じゃないと寝ない。

「ねぇ、ルチル、子猫がうちに来るかもって言ったら、どうする?実はね学校の先生が子猫拾ったんだって。でね。先生の家では飼えないらしくて引き取り手が居なかったからわたしが手を挙げたの。…でもね。ルチルがもしイヤなら断るよ。一番一緒にいるのはルチルなんだもん。」ルチルはすり…と体をすり寄せてきた。…良いって事みたい。

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