彼の優しさ
「…翼ちゃん?どうしたの?」いとこの翼ちゃん。もし、弟の様に可愛がっている子。
「あ、うん。藍姉ちゃん居る所の近くに用事が有って、時間も丁度良いし夕飯どうかな?って。後、母さんと父さんとおばさんも居るけど…どうかな?」
「夕飯位なら…」何故か忙しい筈のおじさんが居るのかは謎だったけど、取り合えず受けて待ち合わせ場所を聞いてから電話を切って、そっちに向かった。
ーレストランー
着いた後に席に案内されて先に来ていた四人に挨拶をしてから、席に着いた。
世間話しもそこそこに料理が来て、喋らなかったおじさんが口を開いた。
「それで婚約は二人とも了承した、と言うことで…」?婚約?…まさかわたしと翼ちゃんが?…ふざけないでよ。
「婚約?…それは一体どういうことでしょうか?わたしはただの食事会だと伺っていたのですが?」……頭がクリアに透き通る感覚。
……あぁ、これはわたし、マジギレ状態か。
「聞いてないのかい?うちの翼と藍ちゃんだよ。」……やっぱりね。
「お言葉ですが、わたしは断ったはずです。…なのに何故、蒸し返されているのでしょうか?」