彼の優しさ

確かに…さっき、当主のご主人、病院に呼ばれた時居合わせたが三つ子たちが『お仕事~?』と寂しそうな目をしてるとしゃがんで一人ずつ抱きしめて『ごめんな?今度五人で遊びに行こうな?』と代替案を言っていた。あと『おとーさんはウソ言った事ないから絶対だね。』と三つ子の一人である男の子が言っていた。

……医者もやって、国際的なテロ事件にも駆り出されて(同盟国限定だが)、相当な忙しさは俺でも察するのは容易なのに『約束を破った事が無い』というスゴさに驚嘆を隠せなかった。

「あと、ずっと思っていたのだけれど幼い頃の藍ちゃんは天真爛漫だった。…でもなぜか今の藍ちゃんは今の年齢的に考えると落ち着き過ぎている。…まぁ、私みたいな例外は置いといても、ね。」そうだった。記憶の中の幼い『藍ちゃん』はコロコロと感情が変わって見ているのが面白かった。

だから俺は幼い『藍ちゃん』と今の結城が結び付かなかった。

「昔の藍ちゃんを知っている身としてはどうですか?西原さん。」…バレていたとは。流石。

「お見通し、でしたか。確かに、藍ちゃんはもっと明るかった。…覚えていませんか?約十年程前、藍ちゃんが『ゆーお兄ちゃん』と言っていた男の子が居たこと。」最初は当主に中盤からは結城の両親に向けて言った。
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