彼の優しさ

「今、この場での明言は避けるのね。」

「はい。」

「もし、藍ちゃんの泣く様な選択なら私は従姉として許しません。」…だろうな。

「悲しみの意味では無くす様に私の最善は尽くすつもりです。」そう言うと当主はクスッと笑って

「大丈夫そうね。…従妹を宜しくね?」選択は正しかった様だ。…一安心、だな。

時宮が本気になれば一教員の首なんて簡単だろうだし。

「さて、時間も時間ですし、夕飯でもいかがですか?」当主は空気を代えて言うけど

「折角のお誘いですが、家族団欒の時間にお邪魔してしまうのも申し訳ありませんし、私はお暇させて下さい。」と断って時宮邸を後にした。
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