彼の優しさ
side 結城 藍
ー夜。自室ー
連れて帰ってきたアズサが家に馴染み出した頃、夕飯を作りながらテレビを見ていた。
テレビは海鮮丼が美味しそうに映ってる。…丼物の特集みたい。
アズサはキャットウォークの中間辺りに座って高い所から尻尾をダラ~んと垂らして尻尾の先だけ少し動いている。
そんな時にピンポーン、とドアチャイムが鳴った。
リビングにあるマンション1階にあるドアチャイムを鳴らした人が誰なのか見てみると、両親だった。
出る事も無いだろう、と思ってチャイムを無視した。
わたしが出ないとなると次はスマホに電話が掛かった。
電話が煩いから、電話が切れた間にスマホをサイレントにした。