あまのじゃくな私が恋をした

「くっククク…お前、おもしろいな。そういうの嫌いじゃないぜ」

「はぁっ、全然おもしろくないわよ」

プクッと頬が膨れる。

その頬を男は突っつき
「大人になったら、相手してやるよ」

バカにするんじゃないわよ。
頬を突っつく手を払いのけた。

「これで引きさがると思ったら大間違いなんだから…絶対、大也さんを落としてみせる」

口角を上げ不敵に笑う男に

「そっちが、私にメロメロになるんだから…」

「くっ‥あははは……お前、いまどきメロメロなんて使うか⁈」

「………」

バカにして…ムカつく男。
裏表あり過ぎる…

「本当におもしろいな…お前ごときじゃメロメロなんてならないけど…なら今、試してみるか⁈…早いうちに決着がつくぞ」

挑戦的な目で私を見てくる。

くっそ〜

ゆっくりと男の首に腕を回し、わざと体を密着させる。そして…背伸びをしてキスをするように近づく。

その間、男は余裕そうに笑ってる。
視線を絡めても、微動だもしない。
この男…危険だ。
その時、やっと気づいた。

私は、とんでもない男に挑戦状を突きつけたんだと…後悔してもすでに遅かった。

「どうした⁈ その先は何をしてくれるんだ⁇」
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