あまのじゃくな私が恋をした

「……」

「ッ…」

整った顔が歪んだ。

ふん…

スッとした高い鼻先がほんのり赤く歯型が付いている。

「あなたの思い通りにならないんだから…私から絶対にキスなんてしない…諦めさせようとしても無理よ」

「ふっ、ばれてたか…」

「覚悟しなさい」

絶対に、あなたから好きだって言わせてやるんだから……

いまは大人の女として見てもらえない。

唇にキスしたってきっと『ガキのキスだな』とか言って鼻先で笑うんだわ。

「くっククク…」

私の心を読み取ったのか勝ち誇ったように笑い、私を見下ろす男が……

いきなり…
「んっ…あっ……んっん、あぁ‥やぁ」

大胆に服の中に手を入れると背を撫で上げ、仰け反る私の口を塞ぎ慣れた動作で舌を絡めとる男。

「これぐらいで根をあげるなよ」

突然の不意打ちにドキドキが止まらない。

「…お前の名前教えろ」

「……えみり…………」

キスの余韻を残しせつなくつぶやく。

「えみり…俺をメロメロにするんだろう⁈唇の感触はいい…俺が離せなくなるようなキスは覚えろ」

耳元で囁くセリフは挑戦的なのに‥
声はとても色っぽく私の体の力を奪っていった。

ガクッと膝が落ちる。
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