あまのじゃくな私が恋をした

その体を支えてくれたのは大也。

「やっぱ…ガキだな…」

頬が熱くなる。

こんなことぐらいで体の力がぬけるなんて初めて…

その挑戦的な唇にもう一度触れたら私はどうなるのだろう⁈

触れたいと思う衝動に駆られ、自然と指先が男の唇に触れた。

抵抗することなく男は笑って、私の視線を捉えたまま指先にチュッとキスをする。

その途端、指先から体全体になんとも言えない痺れがおこり戦慄く体。

「おもしれー女…気に入った」

「……」

男の言葉が耳元を通り抜け、私の思考はショート寸前だった。

「気が変わった…。お互いどちらが先に落ちるか勝負しようぜ。まさか、自信ないとか言わないよな⁈」

私は、不敵な笑みを浮かべてるこの男に振り回されてる。

この男に勝てる自信がない。

だけど…
「自信あるに決まってるじゃない」

あまのじゃくな私は、男の手中にまんまとはめられた。


この短時間で、私の心を操る男に勝てるのだろうか⁈…

だけど…この勝負

負けたくない。

だって…私の心はなぜかウキウキとしている。

今まで、こんな駆け引きしたことないんだもの。

思い通りにならない男を落とすのも面白い…
< 12 / 79 >

この作品をシェア

pagetop