あまのじゃくな私が恋をした
必ず、落としてみせる。
「…勝負だな」
なぜか、満足気に笑うと私の頭の上をポンと優しく手のひらで叩き歩いていく。
ドキンと心臓が弾む。
男の背を追いかけ、ふと見せた大也の笑顔を思い出し頭上に残る手のひらの感触に私は笑みがこぼれていた。
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悠ちゃんさん達と合流すると、何か言いた気に私達を交互に見てくるが大也さんは気づかないふり……
私は、顔の前で手を振り何もないとアピールする。
それなのに‥…悠ちゃんさんは
『あいつ、隠れSだから‥頑張ってね』
と小さな声で言ってきた。
まるで一部始終見ていたようにニコニコしている悠ちゃんさんに、私は、なぜか赤面してしまった。
その顔を見て微笑むと頭をわしゃわしゃと手のひらでなでつけ…
「俺…大也に睨まれてる」
と楽しそうに笑った。
睨まれて楽しいなんて変な人。
それより、私達を大也さんが睨むなんて気のせいだと思う。
だって…彼の視線の先には仲良く手を繋いできた美雨と真斗さんがいるのだから……
独占欲をむき出しにしている真斗さんの
美雨を見つめる瞳は、恋する男の顔をしている。