あまのじゃくな私が恋をした

その表情は、口元と目がゆるみイケメンが台無しになるほどだった。

合流した時には、澄ました表情でいるのだから笑える。

それは、悠ちゃんさんも一緒だったみたいでニヤついていた。

大也さんは、険しい表情で美雨に詰め寄る。

「どういうことか後で説明してもらおうか?」

ばつが悪そうに下を見て視線をそらす美雨。

何か言いたいのに言えない状況に大也がイラついているのがわかる。

シスコン兄貴としては、気になる所だろう。
だけど…美雨に嫌われたくないから何も言えない。

ふふふ…おもしろい。

私は美雨に近づき

「美雨…後で説明あるよね」

と大也さんにも聞こえる声で話した。

ふふふ…

駆け引きの始まりよ。

あなたが気になる情報を私が聞き出せば
、あなたは私に服従するしかないんだから……

簡単には教えてあげないけど…

さぁ、どうやって美雨から聞き出した情報を教えてあげようかしら⁈

美雨は、声をかけてくる大也さんを無視して歩き出す。

私は、男に含み笑いを浮かべ声を出さずに口元を動かす。

『私にまかせて…』

大也は、渋い表情で仕方なさそうに頷いた。

これで、この勝負

私が一歩リードしたと思う。
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