あまのじゃくな私が恋をした
「美雨⁈…美雨たら聞いてる?」
「えっ…なんだった?」
だから、今こうして美雨から聞き出そうとしているのに当の本人は上の空。
「やっぱり聞いてない…上の空なんだから…」
「ごめん…」
両手を合わせて謝る美雨。
「もう…いいわよ」
「よくないよ。今度はちゃんと聞くから、ねっ…」
優しい美雨なら上の空だったことを気にして協力してくれるはず…
「……美雨のお兄さん…大也さんに彼女いるのかな?」
ここが一番気になるポイント。
「いないと思うけど…お兄ちゃんのこと好きになった⁈」
「………まだ、好きってわからないけど…気になる」
すでに好きだと自覚しているのに親友の兄貴なだけに慎重に言葉を選ぶ。
「そっか…今度、お兄ちゃんにそれとなく彼女がいるか確かめてみる。それとえみりのこともどう思っているか聞いてみるね」
「美雨、ありがとう…」
美雨の両手を掴みぶんぶんと振るとそんな私を美雨はかわいいと言う。
だからお返しに…
「あらっ…それを言うなら美雨なんだけど…真斗さんとどこへ行ってたのかな⁈結構長い間2人して消えてたわよね…戻ってきたら手を繋いでて美雨の顔は真っ赤で恋する乙女って感じで可愛かったわよ」